『彷徨と白雪姫』 「未夢ちゃんすごく可愛い〜可愛すぎる〜っ!」 綾が失神する寸前だ。興奮の絶頂。 演劇当日。 教室ではりぼての道具をそろえた後、舞台裏に向かった2−1の皆。 未夢は白雪姫の服を着ていた。 「正にエンジェルって感じだねぇ〜。でもおしとやかなイメージはなくて、 元気な天使ってとこかな。」 ななみが直に感想を言う。 「そっ、そうかなっ?」 未夢もちょっと照れくさく言ってみた。 「お、そっちも準備できたかっ。」 「はぁ〜ちょっと一服・・・ぅぶっ!!!」 彷徨が王子様姿で出てきた。綾が興奮を鎮めようとお茶を飲むが、 あらららら。 「も、もうダメ・・・始まる前にしにそう・・・。」 「綾、早過ぎだべさ。」 ななみ、何で田舎の方言? 「へ〜未夢にしては結構似合ってるじゃん。」 「彷徨もけっこー似合ってるじゃない。」 『お、何々?いきなりいいムードじゃん〜♪』 ななみが恥ずかしそうに二人を見る。 「猿にはもってこいの衣装だな。」 あちゃ。 「は!?だ〜れが猿だって〜!?あんたこそお子ちゃまそっくりですね〜!」 なぁ〜んでこうなるのっ! ななみが手を頭に当てて思う。 「おーい!もうすぐおれたちの番だぞー!」 三太がカーテンの近くでスタンバイしていた。 そしてブザーがなった。 綾が台に出てきて、カーテンを背にしてマイクで大声。 「皆さん、大変長らくお待たせしましたぁー! 2−1、白雪姫です!ごゆっくり楽しんで下さい!」 白雪姫    光月  未夢 王子様    西園寺 彷徨 赤ん坊    ルゥ お妃様    花小町 クリスティーヌ 王様     光ヶ丘 望 巫女     天地  ななみ 狩人     黒須  三太 小人     かおり、さおり、しおり、ゆかり(7人の小人だが4人だけ) ナレーション 小西  綾 (鏡     実はワンニャーだったり・笑) カーテンの幕が上がり、演劇、白雪姫の始まりである。 ある国のお話です。ある国の神官の娘がいました。巫女です。 この国には、代々母から娘へと受け継がれていく呪文を娘が唱えると、 不思議に鏡が見るものの真実を映し出してしまうのです。 もうずいぶん昔のこと。この国のお妃さまは中々子宝に恵まれず、 何度も協会にお祈りに来られておりました。巫女も何度かお会いする機会を得て、 そのうちに親しく声をかけただくようにもなりました。 巫女は、お妃さまのお悩みを聞きして、少しでもお妃さまの御心を癒したいと思ったのです。 『お妃さまは、神国はどこにあるとお思いですか〜!?』 自然に上品な振る舞いのお妃さまは、少し考えてから言ったのです。 『そうですわね。遠い遠い、空の上の、雲より高いところでしょうか。』 すると、巫女がこう答えます。 『いいえっ、神国も悪魔の国も、この世にあるのです〜。誰も気が付かなくて、 この世ともっと離れたずっとずっと遠くにある世界だと思っていますが、 実はこの世に重なっているのですよ!』 そう言うと巫女は一つの鏡を持ってきました。 『この鏡の前で呪文を唱えると、本当のことを教えてくれます! 悪魔の世界も神様の世界も。あなたの事も教えてくれます!』 『まあ、なんて素敵な鏡なのかしら・・・。』 ある雪の降る夜、お妃さまは黒い教壇の前でお縫い物をしていました。 お后さまは子宝に恵まれず、どうしても子供が欲しいと願っていました。 そう考えていたらぼ〜っとしてしまって指に針が刺さってしまって 血が出てしまったのです。 『雪のように色白く、血のように赤々しく、教壇のように闇色の子供が欲しい ですわ・・・。』 すると、ある日お妃さまは一人の赤ちゃんを産みました。 『ウェーンウェーン!』 女の子でした。 信じられないことにその赤ちゃんは、雪のように色白く、血のように赤々しく、 教壇のように黒い髪と目をしていたのです。その子は白雪姫と名付けられたのです。 『鏡よ鏡よ鏡さん。この世で一番美しいのは誰ですの?』 お妃さまは鏡の前で呪文を唱えました。すると鏡はこう答えたのです。 『それは、あなたです〜っ!』 来る日も来る日もお妃さまは鏡の前で呪文を唱えつづけては うっとりするという日々が続きました。 やがて、赤ちゃんが児童へと成長しました。 白雪姫が成長し、お姫さまとなったのです。 王様は日に日にそのお姫さまへ愛情を濃く強く注いでいったのです。 『おお、麗しき姫よ、そなたはなんて美しいんだ〜!』 お妃さまはある日鏡の前でまた呪文を唱えました。 すると、なんと鏡はこう答えたのです。 『それは、この国のお姫さま、白雪姫ですっ!』 『何てことですの!』 お妃さまは嫉妬して、白雪姫を密かに暗殺しようと企んだのです。 ある日、お妃さまは一人の狩人を呼び寄せ、こう言いました。 『あんた、白雪姫を山の奥に連れてって殺して証拠に肺を持っておいで! わたくしはそれを塩焼きにして食べますわ。グフフフフ♪』 (この時、観客から「何かイメージ出てるな」と言う声が聞こえたのである。) そして、白雪姫はある日に狩人に連れ去られてしまったのです。 プロの狩人は誰にも気付かれることなくすばやく白雪姫を誘拐し 山の奥深くの森へと誘い込んだのです。 『私を、どうするんですかっ!』 狩人は、だんだん殺す気が失せてきました。 狩人は、まだ幼いお姫さまの白雪姫に同情したのです。 すると、狩人は言いました。 『このままお逃げ下さい!あの城にいてはいつかお妃さまに殺されてしまいます!』 『お母さまが私を?そんなことないわ!』 『いいえ、お妃さまは美しいあなたに嫉妬してしまわれたのですっ。』 そう言うとお姫さまは少し照れて黙ってしまいました。 『そ、それならどうすればいいんですかっ。』 すると狩人は優しくこう答えます。 『この山の向こうに小さな小さな7人の人、妖精の小人が住んでいるそうです。 お妃さまの気が緩むまで、彼らと仲良くして下さい!』 『でも、それじゃあなたがお母さまに殺されてしまうわ!』 やさしい白雪姫は自分を殺しに来るはずだった狩人のことを気遣ってくれたのです。 すると狩人は優しく微笑みこう言いました。 『私なら大丈夫です。猪の肺でも持っていって誤魔化しますよっ。』 そう言うと、狩人は白雪姫に手を振って去っていきました。 森の奥深くへと移動したお姫さまはどうにか小人たちを見つけ、 一緒に暮らすことになったのです。 その夜、王様が仕事から帰ってくると、お城では白雪姫が居なくなってたという事で 大騒ぎしていました。 『おお、愛しき白雪姫よ!そなたは一体どこへ行ってしまったのだ!?』 王様は3日3晩嘆きました。食事をするときも寝るときも白雪姫の写真を見ては ため息をついていたのです。 ある日、お妃さまはまたしても鏡に向かって呪文を唱えました。 『この世界で一番美しいのは誰ですのっ?』 すると、鏡はこう答えたのです。 『ここではあなたが1番美しいです、 でも7つの山の向こうにいる白雪姫はあなたの1000倍美しいです〜!』 『ぎぇー!?あの子は生きていたんですの!?』 鏡も恐れるほどお妃さまは怒り心頭に達しました。 そして王様が白雪姫にゾッコンだと言うことも風の噂で聞いたのです。 これを聞き怒ったお妃さまは物売りのおばあさんに変装。 こっそり城を忍んで抜け出し、小人の家へ。 『開けておくれ、物売りのおばあさんだよ。』 お妃さまが小人の家を発見し、その家の戸を叩くと中から可愛らしい声が聞こえてきました。 白雪姫は、小人が作った人間用の家を建ててもらっていたのです。 『あら、おばあさん。どんなものを売ってるの?』 『胸ひもだよ。』 そう言うとお妃さまは黄と赤と青の絹で編まれた紐を1本取り出しました。 白雪姫がその紐を買うと、変装したお妃さまはこう言うのです。 『わたくしがうまく結んであげますよ〜!』 白雪姫はちょっと手が不器用だったのです。 お妃さまはそう言うとその紐を取り白雪姫を締め付けました。 『うっ・・・!』 白雪姫は死んだように倒れてしまったのです! その後7人の小人たちが家へ帰ってきて、 倒れている白雪姫を発見。 その紐を切って呼びかけると白雪姫は息を吹き返し、無事に済みました。 その頃お妃さまは鏡に同じ問いをしたけど鏡の答えは前と同じだったのです。 白雪姫の生存を知ったお妃さまは今度は毒の櫛を作ることに! お妃さまは今度も変装したので白雪姫は毒の櫛を買ってしまったのです! 毒の櫛が白雪姫の髪に刺さった瞬間、 白雪姫は倒れてしまいました。 けれども帰ってきた小人たちが毒の櫛を髪から抜くと、 白雪姫は目を開けて生き帰ったように起きたのです。 そして事情を話した白雪姫は小人たちに言われてしまいました。 『もう決して誰も中に入れちゃダメだよ!』 その頃お妃さまは鏡の同じ問いかけをしたのですが答えは前と同じでした。 『山の向こうの白雪姫はこの世で一番美しいです!』 お妃さまも鏡の前で毎日そんな事言ってどうするんでしょうね〜。 そんなお妃さまは王様の偏執的な幼女愛をどうしたものかと考えるとともにますます 我が子の白雪姫に嫉妬していくようになったのです。 お妃さまは秘密の部屋へ行き今度は毒リンゴを作りました。 変なところだけ器用なんですね。縫い物して針で指刺しちゃってたのに。 そしてお妃さまは変装して白雪姫のところへ。 白雪姫は美味しそうなリンゴに惹かれて、 毒リンゴの欠片を食べてしまいました。 白雪姫はまたしても死んだように倒れてしまったのです。 この時、お妃さまは、彼女ののど仏と股間を見て思いました。 『こんな子供がほしいとは思ったけど、可愛過ぎるくらいなら、美しさが奪われるのなら 嫌ですわ。この子が初めから男だったらこんな事しませんのに・・・。』 小人達は色々と手を尽くしたけど、今度ばかりは目覚めさせることはできませんでした。 でも死んだように眠っている白雪姫はとても生き生きとしていていました。 そこで小人たちは、ガラスの棺を作り白雪姫を寝かせ、上に金の文字で名前と生まれを 書き添えました。 こうして白雪姫はしばらくの間、棺の中に横たわっていました。 不思議な事に体は腐らず雪のように白く血のように赤いまま。 もし目を開ける事ができたら瞳は「黒檀のように真っ黒」というように。 そんなある日、隣の国の若い王子が森にやってきたのです。 王子は棺に横たわる白雪姫の美しさにウットリします。 『こ、この姫は?』 『この子はここの国の白雪姫だよ。お妃さまに命を狙われてボクたちがかくまって居たんだ。 でも老婆に変装したお妃さまがボクたちの居ない間にやってきてたみたいで、白雪姫は お妃さまの持ってきた毒リンゴを食べちゃったんだ。』 白雪姫が王女であるという事を知ると、王子様はこう言ったのです。 『この死んだように眠っている白雪姫は、どうにかして目覚めないのか?』 『う〜ん・・・言い伝えでは、愛情を込めた異性が、彼女にキスをすれば、 彼女は目覚めるって・・・。』 『そうか・・・。』 王子様はゆっくりとガラスの棺のふたを開け、棺の側に座ったのです。 『・・・。』 そしていよいよキスシーン。 (「よしっ、いよいよキスシーンだわ☆」) 舞台裏でナレーションしながら舞台上の未夢たちを見て目を輝かせる綾。 (「あれっ、最後は召使が未夢の背中ポンと叩いて終わるんじゃないのっ!」) ななみは事の真相に顔を赤くしながら綾に聞いて舞台上を見た。 綾は本当に彼ら以外にラストシーンの真相を教えていなかったのである。 (えっ、ちょ、ちょい待ってよ彷徨!皆の前でほっ、ホントにキス しちゃうの〜っっっ!?!?) 彷徨の顔がどんどん近づいてくる。未夢は死んだふりの役をしているため目は開けて なかった。 それが余計緊張した。 (わ、わかんないよお彷徨の様子が・・・ねぇっ、ホントにキスしちゃうの〜!!!!??? あ〜、皆の前だよ〜うわあ〜!!!) だが、中々話は進まない。舞台上の者たちも、観客たちもし〜んとしたままだった。 すると、舞台裏から覗く奇妙な光が。 「あ、あれは彷徨くん、何やってるのかしら・・・早く未夢ちゃんを運ばないと話が 進みませんわ・・・ ハッ、まさか!実はキスシーンなのでわあっ!?」 彷徨『未夢、この際だ!キスして結婚しよう!』 未夢『彷徨嬉しい!私彷徨のためならどこまでもついて行くわ、地の果てまでさえも!』 彷徨『未夢、目をつぶってくれ・・・。』 未夢『うん、彷徨、誰よりもずっとずっと大好き・・・。』 ゴゴゴゴゴ・・・こんな・・・こんなのって・・・ ぬゎあいどぇえすぬわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!?!?!!?!?! (↑の訳:ないですわ〜) 舞台裏からドドドドドっと何かが物音を立ててどんどん近づいてくる。 すると妃役のクリスが大きな柱を持って、仁王立ちというか、蟹股で息を切らしながら 未夢たちの前へ。 ビックリして目を開けてしまった未夢。 彷徨も事の展開にクリスの方へ目を向けてしまう。 観客席はざわめいている。 「聞いてないですわよ彷徨くん・・・未夢ちゃんとキスシーンだなんて・・・ しかも皆の前でやろうとするなんてなんて大胆ですの・・・ そんなのいけませんわーあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!」 「お、おい花小町、劇中・・・うわーっ!」 「ちょ、ちょっとクリスちゃん劇の最中だよって・・・わああっ!!」 クリスは大きな柱をブンブン振り回し、劇場(体育館)をめちゃくちゃにした。 その反動でクリス自らも吹っ飛んで気絶してしまった。 観客席もぼろぼろになり、舞台裏とその役者たちの誰もが気絶。 未夢ははりぼてではあるがガラスの棺(実は透明なプラスチックの大きな入れ物)に 入っていたのでいささか無事ではあった。 だが、彷徨は・・・ その衝動で体ががくんと落ち、自らの唇が未夢の唇に触れてしまったのである。 「・・・っ!!!」 「・・・っ!!!」 ばっ!と離れる二人。 (何!?今・・・!!!) 未夢はガラスの棺から起き上がり吃驚している。 「・・・!!」 彷徨も何が起きたのかわかっているようなないような、珍しく気が動転していた。 何せ、二人とも目を開けた状態で、意識があったからである。 過去事故って未夢が、寝ている彷徨の唇に自分の唇が触れたということはあったが 彷徨が寝ている時だったし。 今回は二人ともはっきり目覚めていた。 すると気絶していた綾が目覚める。 なんとー!白雪姫が生き返ったのですー! すると観客たちも、何だ何だ何が起こったんだとざわめきながら目覚めてきた。 目覚めた綾がナレーションを再び始め出す。 お妃さまはそうとも知らず普通にお城に帰ってきました。 そしていつも通り普通に鏡に尋ねるのです。 ここで舞台裏で目覚めたななみが、クリスを起こしどうにか役の続きをやらせた。 『鏡よ、魔法の鏡よ、国中で一番美しい女は誰なんですの?』 すると鏡が答えました。 『お妃さま、あなたがこの国で一番美しいです、しかし山の向こうの白雪姫はもっともっと 美しく神の領域に入っています〜っ!』 『ーーー!!!』 お妃さまはビックリしたのです。 しばらくすると白雪姫が7人の小人と、隣の国の王子様に連れられながらお城に戻って きました。 そして王様と閲覧し合うのです。 『おお、白雪姫!』 『お父さま!』 親子は手に手を取って喜び合いました。 (何気に、未夢の方は結構嫌がっていた。) 『姫よ、今までどこに居たのだ。』 『はい、お父さま。お母さまの嫉妬から逃げ出して、小人たちのお世話になっていたんです。 しかし変装したお母さまに毒リンゴを食べさせられ永遠の眠りにつくところを、 この王子さまに助けてもらいました。』 白雪姫は、王さまに、お母さんが自分を殺そうとしたので逃げたこと、変装したお母さんが 森まで自分を殺しにきたことを話しました。 そして、お父さま再会できましたとうれしそうに話しました。 話を聞いた王さまは、白雪姫と王子様を確かめました。白雪姫は確かに本物でした。 そっくりさんではありませんでした。 『そなたが助けてくれたのか!』 王様は隣の国の王子さまを見てお礼をしたいと言い出したのです。 そのお礼とは、娘の白雪姫との結婚の許可でした。 王様は娘が隣の国の王子さまと結婚させることで、隣の国の王さまとも信義と親しみのために 深く交わりたいと思い、そして白雪姫の幸せを願って結婚させようとしたのです。 当の二人は喜んでお互いを受け入れたのです〜! (しかし当の二人は顔を真っ赤にしていてほとんど感情がうつろになっていた。 劇の台詞もそのままロボット人形が吐くように演じていたのである。 いつもなら拒否しながら怒って演じていそうだが、皆が気絶していたときの事が どうにも気になりすぎて他が考えられなかったのである。) そして吉日、白雪姫と隣の国の王子さまの結婚式が執り行われたのです。 二人はお互いの左薬指に指輪をはめました。(もちろんれぷりか。) 姫には赤、王子には青の指輪です。 そして二人は永遠の愛を誓い、末永く幸せに暮らしたとさ♪ ちなみに、お妃さまは訳わからんと言う顔をしながら怒り狂って死んでしまったのでした☆ (死んではいないが、クリスは気絶してしまったのである。理由は、衝撃的なシーンがあった からである。 その衝撃的なシーンを見ていたわけではないが、自己妄想で気絶してしまったのである。) (終) (終)、と長い習字紙に書かれた文字が上から吊るされた。 カーテンが閉まると、綾が最後の閉めにとりかかる。 「皆さん、2−1の白雪姫、どうだったでしょうか、お楽しみいただけました でしょうか〜っ。 途中、アドリブとかボケとかツッコミとか入っちゃったり、何か色々ありましたが、 楽しんでいただけたことを願っています! この話は、グリム童話の日本版です! 初回版では白雪姫は毒リンゴを喉に詰まらせ倒れ、ガラスの棺ごと王子様に運ばれた白雪姫が 王子の召使に「重い」と言われて背中を叩かれて目覚めるって言う話なのですが 日本が勝手にロマンチックな話にしたんですね〜♪ グリム兄弟は、伝承されていた民話から性質な表現を取り去り、残酷なシーンを盛り込んで、 ずいぶん教訓的なお話しに変身させているようです〜。もともとの伝承では、白雪姫は7才の 女の子で、小人から白雪姫の棺をもらい受けたのは、王子様ではなくてじつの父親の王さまと なっているみたいなのです。 この物語に限らず、グリム兄弟は、男女の役割について、女性は常に受け身で、 家庭にいることが幸せの秘訣であるような価値観で書き直していたみたいですね。 誰でも知っている、白雪姫のお話ですが、こんなところにも男女観の刷り込みがあるの ですね。 それでは皆さん、最後の最後までありがとうございました〜っ!!!」 ぼろぼろの観客席から拍手が起こり、もうそろそろ演劇大会の終りの予感。 ハラハラドキドキの演劇大会は、めちゃくちゃになった体育館で幕を閉じたのである。